『真夏の夜の物語』 司馬ごくたろう先生作

え?ボクの名前?
・・・ら、蘭丸。
・・・。
・・・。
・・・。
はい。そうです。
乱丸です!乱丸です!乱って呼んじゃってください。
だって、みんなが蘭、蘭って囃し立てるから・・・。
そうです、そうです。
どうせボクは乱暴者の乱丸です。
ふん!

えっ?なんでここにいるかって?
なんでって言われても・・・
な、夏だから。
そう、夏だからいるんだよ。
なに?なんで夏だからって?
わかんないかなぁ~。
夏は、ほら、○○○の季節♪って言うじゃない。

違~う!チカンじゃない!
おばけ?
ん~。違います!
で、も、ちょっと近づいた。
え?
そう。
おぼんです! おぼんがやってくるのです!
だって、ボク、ゆ~れいなんだもん!

え?信じていない?
本物だってばぁ!

ボクの顔、よ~く見てご覧?
四百参拾七歳にしてこの艶やかな肌。
これは体はもう歳を取らないからなんだよ!
この歳でこのピチピチ感。
この歳でこんなお肌してるのはデ○夫人と・・・オバケって言うなぁ~!

まだ、信じてないなぁ・・・。
じゃぁ、証拠にいいことを教えてあげよう。
ボクを殺めた張本人の名を教えてあげよう。

それはね・・・
惟任日向守光秀だぁ!
・・・。
・・・。
ん?
驚かない?
そんなのみんな知ってるって?
常識?
うそ~?
だって、だって、この間読んだ本に犯人はイエスズ会だって・・・
南蛮人がやったって書いてあったもん!

・・・。
読む本、間違えてる?
あ、そう。。。

それなら、とっておきの大秘密!
まだ、どの大先生も発表していない事実を教えてあげよう。
上様はねぇ・・・
・・・。
ははは・・・水虫だったんだぁ!
・・・。
・・・。
・・・。
え?驚かない?
・・・。
本当の話かどうか確かめようがないからわからないって?
・・・。
ん?それに?しれに何だって?
・・・もし・・・本当に水虫だったとして・・・
それをばらしてもいいのか?・・・って?
・・・。


ば、ば、ば、ば、馬鹿を言っちゃいけないよ。
ボ、ボ、ボ、ボクがそんな事、何時言ったぁ?
し、し、知らないよ。
そんな事、言ってないじゃないかぁ!
ん?
ダメ!消してっ!
ここんとこ、消して!
削除!削除!
ここからここまで削除ネ!
お願い!

ぜぇぜぇ。
あぶない。あぶない。

い・・・いい。
いいよ。もう。
信じてくれないんだ・・・
ふん!
ボク、もう帰る。

なに?帰る方向が違うって?
ドアはそっちじゃないって?
わかってるよ!そんな事!

ボクはねぇ!
幽霊なんだよ!ユ・ウ・レ・イ!
ドアから出なくたって、こんな壁、
すりぬけれるんだよ。

じゃぁなっ!わからず屋!
バイバイ!!
 (ゴッ!)
あ、いてっ

                            (完)



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